介護業界が抱く問題として介護難民と呼ばれる問題が挙げられます。
介護難民とは要介護者が必要な介護を受けられない状態を意味する言葉ですが、特に介護施設の利用ができない人に対して用いられます。
介護施設の数は増加していますが、そこで働く人の数が少ないのが主な原因です。
要介護者を介助するための人員が足りないので介護施設が十分に機能せず、介護難民になってしまいます。
介護職に従事する人を増やすのが効果的な対処法ですが、仕事が過酷な割には得られる収入が少ないというネガティブなイメージがあるため、人員の増加が期待できないのが実状です。
資格取得をサポートするなどの工夫も決して良い結果に繋がっているとは言い切れません。
介護難民が生じる原因として要介護者の側の金銭問題も挙げられます。
他との差別化を図るために高級化した介護施設も少なくありませんが、近隣の施設が高級化したものばかりになったため、利用ができなくなったケースがあります。
高齢者の割合が増加するのに伴って介護施設も増えていますが、すべての高齢者が充実した介護を受けられるとは限りません。
利用費が払えないため、目の前にある施設を利用できないこともあります。
将来はさらに高齢化が進むと予測されていますが、そのような中で介護難民の解消をどのように実現するかが介護業界の課題です。
状況を客観的に把握し、介護職に対するイメージの改善や離職率の低下を図ることが問題解決の必須条件と言っても過言ではありません。